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【5インチゲージ制作・第4回】5インチゲージの車体、手作りしてみた! 木材から「乗れる」鉄道模型が生まれるまで ~座席制作編~【体験レポ】

  • 執筆者の写真: 部長
    部長
  • 2024年11月4日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年11月7日

お久しぶりです!

最近、フィリピンのライブカメラを眺めることにハマっている部員です。


奈良高専機械研究会がお送りする5インチゲージ(ミニSL)制作です。

↓ 前回はこちら! ↓




・・・更新遅くなりました。すみません。


5インチゲージ(ミニSL)制作・第4回となる今回は、客車の座席制作についてご紹介します!



前回までの復習・・・

第1回~第2回で、機関車・客車の基礎となる部分の制作(車輪の取り付け、床板の接合)を行い、第3回ではモーターを取り付けて電動化を行いました。



客車の概要

機械研究会が制作する5インチゲージは、機関車と客車の2部分に分けることができます。


前回の電動化計画の主役は動力を持つ機関車でしたが、今回の主役は動力を持たず、引っ張られるだけの「客車」です。


車体材料(コンパネ)の強度と構造を考慮し、客車の乗車定員は2名とします!



座席制作のために使用する部品・道具

①モデルニクス社製キット内の物

無し


②別途準備する部品

●コンパネ

●角材

●ネジ(M3.8)

●アングル(L型補強金具)

●ちょうつがい

●プラ取っ手

●座席シート

●T字型補強金具


③道具

●電動ドライバー

●ノコギリ

●六角レンチ

●ヤスリ



座席の設計

座席を作るにあたり、「幅広い年齢層の方にとって座りやすい」ということをコンセプトとして設定しました。


まずは何人かの部員に協力してもらい、座面の高さを検討します。

座ったときの膝の角度に注目して、どの座面高さのときが楽な着座姿勢といえるか、考えました。


結果、小学生以下の子どもたちにとって座りやすいか、ということを重視し、座面高さは約300mmとしました。


次に、座面の横幅を決めます。


あまり狭いと座ったときの安定感に欠け、カーブ通過時によろめく危険性が高まります。

一方、あまり広くしすぎると、なんだか開脚ストレッチをしているような状況になってしまいます・・・


座面幅は約220mmとしました。


ミニSLの座席は断面形状がT字型のものなどもありますが、今回は工期と安定性の都合から、図のような箱型の座席を作ることにしました。


床板の幅よりも座席の幅を小さくすることで、左右に足を置くスペースを確保しています!



5インチゲージの客車の概形を示した図
客車の概形 CAD履修者とは思えない超テキトーな図(._.)


座面を作る

座席もイチから作るので、まずはコンパネを切り出します。

ノコギリをギコギコ・・・、大変です(~_~;)


座面は1150mm×220mm(×12mm(板厚))と、縦に大きくなるので、半分に分けて(上の図では、座面の中央部に点線が入っています)カットします。



側板を作る

つづいて、座席を支える横の板(=側板)を作っていきます。

箱型なので、側板は4枚作らなければなりません。


座面は前後2部分に分けてカットしましたが、側板は頑張って1枚で切り出します。


ノコギリをギコギコ・・・、大変です(2回目)

これは腕が痛くなりそうです・・・



座面2枚を接合する

ああ腕と腰が痛い「機械研究」会とは・・・?(心の声)


まぁともかく、床板と側板ができたので、まずは2枚に分けてカットした床板を再度合わせます。


接合にはアカマツ角材と補強用の金具(座席断面をT字型にしようと計画していたときに購入したが、結局使わなかったT型金具)、ねじ(M3.8)を使います。


こんな感じ↓で、金具と角材を2枚の板の間に渡すようにして接合します。

5インチゲージの座席の構造
座面の接合(概念図)

角材も、荷重を分散できる十分な長さにカットします。

ノコギリをギコギコ・・・、大変です(3回目)

切り終わったら、いよいよ接合していきます。

ねじの頭が座面に飛び出さないよう気を付けます。


コンパネで出来た5インチゲージの座席をネジと電動ドライバーで接合する様子
座面となる側からビス(ねじ)を打ち、 補強金具を固定します


座面と側板を組み合わせ、座席を組み立てる

まず、側板2枚をネジで接合し、L字型を作ります。


次に、L字型に接合した側板に、座面を載せ、ねじで固定します。

残り2枚の側板も同様にL字型に接合した後、座面と接合します。


5インチゲージの未完成座席
途中経過(一旦、手前側の側板を外しています)

最後に、側板どうしをねじで接合し、頑丈にします。

これで、「座席」の完成です。



床板に座席を載せて固定する

先ほどの作業で、箱型の長いすが完成しました。

部員が数人座ってみても、安定感抜群です!(^^)!


部室に泊まるときにはベッドになりそう・・・(-_-)zzz、と思いましたが、ベッドにしては幅も長さも短いので、寝返りもろくに打てませんね😓


恐らくここで寝たら、翌朝には、部室の固い床で全身を痛めていることでしょう・・・😇


というか、そもそも泊まり作業なんて存在しません(できません)けどね!! ←ここ重要です。オイラーの公式くらい重要です。高専生にとっての有効数字くらい、理解が重要なポイントです。


機械研究会はいわゆる「ホワイト」な部活を目指しております。


さて、オイラーとかホワイトとかはどうでもいいんですが(どうでもよくないんですが)、座席を固定していない下図のような状態(床板に載せただけ)だと、カーブ走行時に座席ごと滑り落ちて大変危険ですね。


※なおホワイトな部活ではありますが、この写真のように夜の部室周りはブラックです🌃

5インチゲージの未塗装客車
座席を床板に未固定、こんな状態では危険です!!

ということで床板に固定していくわけですが、固定にはアングル(L字型補強金具)を使います。

片側3か所ずつ、左右合計6か所で固定します。


こんな感じで固定します。

アングルで固定された5インチゲージの座席と床板
アングルで確実に固定します


握り棒の取り付け

さて、一応「座れる」客車は完成しましたが、低速走行とはいえ安全を確保するために、握り棒(手すり・持ち手)を取り付けます。


形状的には、下図のような金属製握り棒を取り付けようと考えています。

この写真の物のように、持ち手の幅が狭い場合は左右の手で各1個という感じでしょうか。

アルミニウム丸棒製のシルバー色をした取っ手
持ち手の例


その他の加工

今回の作業では、座面を側板に対してねじを使って固定してしまいましたが、今後ちょうつがいを使って座面を片開き可能にしたいと思っています。 バイクやスクーターの座席をイメージしてもらえれば、分かりやすいかと思います。


ちょうつがいを使って簡単に座面を開閉できるようにすることで、座席内に客車の重りや道具を出し入れしやすくなります。

(客車は、バッテリーやモータを積んでいる機関車と比べると軽いので、やはり重りは必要です。)


また、乗り心地(座り心地)をよくするために、薄い座席シートを敷こうかと思います。このあたりは、価格と大きさ、厚み、固定のしやすさなどの点に注目して👀要検討ですね!



感想

ノコギリでカットする作業は大変!!!!

ですが、意外にも安定感・安心感のある座席を作ることができ、「これは良いモノができるのでは・・・?」といった(謎の)自信が出てきました。


座席固定後の客車は下の写真の通りです。


え? 側板に白線が入っている? 座面が塗装されている? 塗装については次回で書きますので、気にしないで気にしない(*´ω`)


簡素な塗装を施した5インチゲージの客車
今回の成果です

この調子で、ブログもより良いモノを書いていきたいものですね。


しかし、次回の内容は薄味(少なめ)になる予感・・・!?



次回予告

第5回は、客車の塗装についてご紹介します。 そしてギミック用の電子部品が届いたので、次回ではありませんが、機械系の工作ではなく電子工作のブログも書きますね💪 電子制御工学科の学生としては、非常に楽しみです😆


乞うご期待!



※作業時は保護メガネを着用し、周囲の状況を確認するなど安全に十分配慮しています。


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